2009年5月の日記(mixiより・・)
ある写真家と写真集について
Robert Frank "The Americans"
GW中に2度ほど写真美術館の図書館に行った。
あそこの図書館でRobert Frankの写真集をじっくり楽しむため。
人は多いが、集中してて他人に興味ない感じで良い。レコ屋みたいだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Frank (日本語のがない・・)
そのとき関心がある情報を脳が勝手に集めてくることを
カラーバス効果というらしいけど、GW前に三たび同じ写真家の
名前を別々の媒体で目にすれば意識せずとも
関心があるのかなと思ってしまう。
そういうときは素直に調べたりしてみるものだと思う。
積んでおいたCoyoteの2009年3月号では
http://www.coyoteclub.net/catalog/035/index.html#
いろんな角度からRobert Frankの"The Americans"を
紹介している。Coyote史上、いちばん素敵な特集ではないかと思う。
頭のほうにコンタクトシートの写真が載っていて
使う写真だけ赤のダーマトグラフで四角く囲ってある。
著名な写真家といえど、あるショットを決めるまでに
タテヨコ位置を変え、露出を変え、アングルを変え・・と
いろいろしているのが分かる。
なーんだやっぱみんな同じコトしてるのねと思うけども
当然ながら成果物が違う。
写真史の本なんかでは
「写真における対象と意味の結びつきを破壊して再構築した人」と
されてますが、じゃあ具体的に?となると、たとえば
「泣き顔の写真=悲しい」や「花=キレイ」
を超えた(とすると安易すぎるけど)表現方法で
世界=米国を上の写真集で提示したということになるのかな。
ほかの言い方をするとしたら
対象の、見える意味だけをとらえたのではなく
自分の存在と世界とのあいだにある可視的なものと
不可視的なものが混じり合った全体的な枠組みを
捕捉した。それを知性頼み=情報メイン(見えるものだけ)に
なりがちな「テーマ」と共に写真集にパックすることに成功した。
なんて感じだろうか。
そして今日はここまでにしよっと。
写真集の写真をいろいろ探して次のに使おう。
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調べていたらエスクァイア2007年2月号でも
彼の特集があった。本棚から出すと、ページの右上が折ってある。
そのときは何となく面白いなと読んでいたんだろうけど。
興味というのはとつぜん加速するものなんだなあと思った。